古賀稔彦という希代の武道家、その御仁から感じたインスピレーションを、「自尊他敬」、「覇氣清浄」、「万事感謝」、「礼始礼終」の四字四種にイメージしました。それをフロントデザインとしました。

イメージの説明は以下になります。

■「自尊他敬（じそんたけい）」のイメージ。
自らを尊ぶとは、「自分の存在は偶然とは思わず、自分は意味ある者として、この世に存在している」と重く受けとめることである。己を尊ぶことなくしては、この世界は何もはじまらず、何も成さない。

例えば、引きこもる人は、能力が無いわけでも、人として劣っているわけでもない。自己評価が低いだけである。これに自ら気づかなければ、たとえ周りの人が懇切丁寧に世話をしようと外に出られない。何かを成したいと思うなら、人間は先ず自らを尊び、己の存在の重さを自ら実感することである。

そして己の存在の重さが分かれば、他者にも同様にあると悟る。自尊他敬の状態が、人と向き合うということであり、人を大事に思う生き方の構えである。

古賀稔彦という御仁は、子供でも手を抜かず稽古すると言われる。相手が子供であっても存在の尊さは変わらない。手を抜かずに行うことが相手の存在への敬意だと知っているからこそ、手を抜かないのだろうと感じる。他者を大事にし、その存在を重きにおくという構えは、相手の真っ正面に立ちはだかるということではないか。
これを、古賀稔彦という御仁が手を広げ相手に向かう姿から感じる。

■「覇氣清浄（はきしょうじょう）」のイメージ。
覇気は何事にも積極的に向き合うという心構えを表す。何事の世界でも成就する人は、消極的、悲観的な性質の人はいない。積極的に考え動くからこそ、この世の状況が変わる。

そして覇気には、自ら頂点に立とうとする気概も含まれる。
自分で一番になると決めなければ、二番にもなれず。
そして何より、頂点に立つ自分の姿が鮮明にイメージできない者は、永遠に頂点には立てない。

○覇氣と清浄を合わせたイメージ。

求道者の先人達が厳しい修行の中で知り得たように、邪念のない真我から発する無垢の覇気は場を清めることができる。
これを、古賀稔彦という御仁が試合に出ていく際に思い出させてくれる。

■「万事感謝（ばんじかんしゃ）」のイメージ
運が良いと言われる人、物事が成就する人に共通することは、一日の中で感謝に使う時間が長い。

人生が上手く行かないと嘆く人、自分は運が悪いと腐る人は感謝する時間がなく、不平不満の時間の方が遙かに長い。

上手く行く人、行かない人、両者を比べると、それがよく分かる。大願成就には、先ず万事に感謝することが近道だと成功者から学べる。

古賀稔彦という御仁の他者を見る際の眼差しが、他者への感謝、環境への感謝、これらの感謝の念が、人として、どれほど大事かを教えてくれる。

■「礼始礼終（れいしれいしゅう）」のイメージ
すべては礼に始まり礼に終わるという文字通りであるが、礼には相手に敬意をはらう動作という意味と、己を律する行動規範という意味がある。

己に対する行動規範が克己を生み、そして人間の真の美しさ、品性を生む源だと、古賀稔彦という御仁の立ち居振る舞いから感じる。

以上が、「自尊他敬」、「覇氣清浄」、「万事感謝」、「礼始礼終」の四字四種にしたイメージになります。

「優れる者は人に優しい」のデザインコンセプトは、シリーズ1、シリーズ2と説明内容は同じです。長くなるため、ここでは記載致しませんでした。お手数をおかけいたしますが、そちらをご覧下さい。