私、Instagramで詐欺にあいまして。

といっても、実際の被害はなく、半信半疑で一連のやり取りに付き合ってみました。

少し長めの文章ですが、注意喚起になれば良いなと思います。
後半に商品の説明をさせていただいてます。

詐欺被害に関して
7月27日土曜日の朝、私が運営しているコレクティブweebのInstagramのアカウントに一本のDMがとどきました。

送り主は、子供を抱いたお母さんがアイコンの女性と思わしきアカウントでした。
内容としては、運営するInstagramアカウント内の投稿のスクリーンショットが数枚送られ、
「あなたたちの作品がとても気に入りました。あなたと進めたいプロジェクトがあります。返信もらえますか？」
というものです。(実際には英文のメッセージで、私の意訳です。)

過去にこういった連絡はあり、そこから始まったプロジェクトもあったので、丁寧にお話を伺いました。
依頼内容は、
「私の息子が3才になるのですが、その誕生日イベントの告知用ポスターを描いて欲しい！3枚描いてくれたら500ドル払うわ」

なんて素敵な依頼なんだ！そんなアニバーサリーな場面に立ち会えるなんてなんて光栄だ！と思い、前向きな反応をしたところ、

子供の顔写真が3枚とイベントの詳細(自宅の住所や開催日など)が送られてきました。

そこで私は、当日どんなことをする予定なのかや、子供の好きなカートゥーンなどを聞いてみたのですが、反応が鈍かったことから違和感を覚えました。

冒頭に半信半疑と書きましたが、素敵な依頼だと感じながらも、最初から怪しい点はいくつかありました。
・なぜアカウントにリーチしたのかがわからない。
・200人いるフォロワーのほとんどが同じ投稿数かつ写真のみでの投稿(飛ばしアカウント)
・時差を考えると、現地時間3時ぐらいに秒で返信があり到底三歳児の母の動きとは思えない。
・アカウントに子供の画像の投稿が無い(そこはもっと作り込めよと思う)

そんなアカウントのディテールから、怪しいなー詐欺だなーとも思うものの、
困っている人がいたら放って置けないたちなので、万が一にでも、お母さんが困っているならば！と思い、付き合ってみることにしました。基本的に、weebに来たプロジェクトはメンバー間で共有するのですが、確実な利益回収が見込めないことから、個人的に対応しました。(70%は、騙されてるな〜と思いながらも、PCでエディットしたものであれば、実費の被害は無いことや、私自身が怪我の療養で、本格的な制作に取り組めない期間だったので、エアコンの効いた部屋でフジロックの中継を見ながらiPadで暇つぶしするか〜という感覚です)

〈ここからが詐欺のディテールです〉
実際に誕生日が近かったこともあり、一晩で仕上げました。
仕上げた画像にスクエアを被せsampleの文字を加えたもの(画像全体が確認できない状態)を送り、
「PayPalでの入金が確認できたら、完成品を送るよ」
と添えて返信を待ちました。
するとすぐに、
「500ドル入金した」
と連絡がありました。

ここからの展開が巧みなんです。

ここまで読んでどこが詐欺なんだ？と思いながら読んでる人はかなり鋭いです。
私としても引き受ける段階でもしこの一連のコンタクトが詐欺だった場合、私の労力分の損失はあるものの、加害者側の金銭的メリットが見えないのです…(なので半分、本当にお母さん説を信じて、引き受けたという側面もあります)
話を戻します。

PayPalに紐付けてある私のビジネス用のメールアドレスを伝えて、送金を依頼した後、500$送金後の画面のスクリーンショットが送られて来ました。
すると、
「メールを確認して欲しい」
「メールは届いていないか」
「迷惑メールボックスを確認して欲しい」というメッセージが連続して送られてきました。

実際には、迷惑メールボックスの中にメールは入っていました。
PayPalと思わしき差出人から来たメールの内容を要約すると、『500$の送金を受付ましたが、セキュリティの関係上、保留になっています。この送金を受け取るためには、ビジネスアカウントにアップグレードする必要があるので送金主にプラス300$の送金を依頼してビジネスアカウントにアップグレードする必要がある』

私はこの時点で、詐欺だ！と確信しましたが、まだ相手に金銭的メリットが無い(私の金銭的な被害はまだなく、この先の展開を知りたい好奇心)ので少し付き合ってみることにしました。

「メール届いたよ」と返信し、
すると相手から、
「内容を確認したいのでスクリーンショットを送って欲しい」というメッセージ。
なので届いたメールのスクリーンショットを送ると、「わかったわ！すぐに300$を送金するから、全ての金額を受け取ったら、私に返金して欲しい。私はあなたを信用しているわ」
という返信とともに、PayPalからの送金メールと入金画面のスクリーンショットが届ききました。

再び前回のように私が受け取ったメールのスクリーンショットを送ると、

「あなたのバンクカードから直接私に送金する必要があるみたい。送金確認のレシートを送ってPayPalに申請する必要があるみたい、このサイトから私に送金して、信じてるわ」
というメッセージとともに、amazonやNetflixのプリペイドカードの購入を介して海外送金できるテイのサイトのリンクが送られてきました。

まわりくどい……非常に回りくどい手口で最終的に金銭を要求してきます。それも返金を要求する形で。

状況を整理すると、
・PayPalにはそんなアップグレードシステムはない。
・メールは来るけど、PayPalアプリに反映されない。
・届いたメールが迷惑メールに直行、メール内のウェブリンクが正常に機能してない。
・送金済み画面のスクリーンショットに時間の表記がトリミングされてる。

そうなんです。
PayPalからと思わしきメールもかなり巧みに本家をコピーしたもので(実際に見比べると、リンクが機能しない、送り主の欄を返信から開いてみるとドメインが.com.uという見慣れないドメイン。私のデッサン力不足だったらごめんなさい。)した。

安心してください、私からの送金はしてません。
相手が3才の男の子のお母さんではなく、詐欺師だと確信した私は少し突っついてみました。

「PayPal以外での送金は信用できないから、子供の誕生日がわかる写真送って」とメッセージすると

「早く送金しないPayPalに通報されてしまうわよ。あなた理解してるの！？」
基本的に自分に都合の悪いことは無視するみたいです。
そして立て続けに送金を依頼するメッセージが送られてきました。

最終的に私の方から、PayPalの送金システムに関する事実や、メールがPayPalでないこと、詐欺の事実を突きつけると、偽装お母さんヒス構文が送られてそれ以降のメッセージはありません。

ここまでが一連の流れと詐欺の手腕です。
PayPalは正しく使えばとても便利なサービスです(私もよくお世話になってます)。
それに、金銭的メリットが見えないことから、疑いにくいこと。相手が演じる立場や、返金という名目の請求方法など、騙される側の感情を巧みに操作する手口です。イラストレーターさんやペインターさんが、日常的な仕事の一貫として対応してしまったり、特に英文でのやり取りが不慣れな人にとってはとても騙されやすいのかなと思います。そして、アート関連のワードでハッシュタグを使うひとはリーチされやすいのではと思い、注意が必要だと思います。

ブログやTwitterをやってないので、ここで注意喚起になればと思いかなり長くなってしまいましたが、文章にしてみました。ほかにも似たような手口、多々あると思います注意していきましょう！

ただ！ただですよ！
詐欺だと思い冷静に対応しながらも、本当にお母さんだと思ってたサイドの僕は大変苛立たしいんです！
「めちゃめちゃいいイラスト書いたのに〜！！！！」

ということで、このままお蔵入りにしてしまうのは勿体無いのでTシャツにしちゃいました(実際には3枚描いていますが、その中でもお気に入りの一枚)！

US架空の男の子のバースデーパーティーTシャツです。
誕生日が8月頭だったこともあり、この夏に最適な一枚なんじゃないかと思います。
夏もまだまだこれから！思わずプールに行きたくなる一枚です！

商品の販売の方は詐欺じゃないですよ、制作次第しっかりと発送されますよ！
150枚売れて、500$回収できたら嬉しいです！