雄大な渦巻銀河M51の優雅で曲がりくねった腕は、まるで宇宙を駆け抜ける壮大な螺旋階段のように見えます。実際には、星やガスに塵が混じった長い道が続いています。このような印象的な腕は、いわゆるグランドデザイン渦巻銀河の特徴です。渦巻き銀河として知られるM51では、これらの腕は、水素ガスを圧縮して新しい星団を作る星形成の工場として重要な役割を果たしています。
天文学者の中には、渦巻きの腕が特に目立っているのは、渦巻きの腕の一番外側にある黄色がかった小さな銀河NGC5195との接近遭遇の影響ではないかと考えている人もいます。このコンパクトな銀河が腕を引っ張っているように見えますが、これが新しい星形成の引き金となっています。ハッブルのクリアビューでは、NGC5195がM51の後ろを通過していることがわかります。この小さな銀河は、何億年もの間、渦巻きの前を滑空して通過しています。
ハッブルによるM51の魅惑的な画像では、赤は赤外線と巨大な星形成領域内の水素を表しています。青色は熱くて若い星の色で、黄色は古い星の色であることがわかります。
1773年にシャルル・メシエによって発見されたM51は、地球から3,100万光年離れた猟犬座に位置しています。見かけ上の等級は8.4等星で、5月の間に小型望遠鏡で簡単に見つけることができます。ワールプール銀河の美しい正面からの眺めと地球との距離の近さにより、天文学者は古典的な渦巻き銀河の構造や星形成過程を研究することができます。