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Go Go アリクイ

 アリクイが歩いていると、ずっと上の上の方からなにやら呼びかけるような声が聞こえました。アリクイはありをペロペロとなめとる舌をとめて、しばらくまわりを見渡しました。舌から鼻先を伝って、何匹もの小さな蟻が這い上がってきます。
「おましいなあ、だれもいないなあ」
 アリクイは首をかしげました。そしてまたペロペロと小さな蟻達を舐め始めました。
「ぅおぉお~ぃ」
 なんだかずいぶん間延びした声が、やはり呼びました。はっきり聞こえた分、これは無視できません。
「だれえ?」
 アリクイは舌を出したまま、あたりを見回しました。蟻が目の中にまで入ってくるので、しきりにまばたきをしました。
「うえ~」
「うえ~?」
「うえ~みて~」
 アリクイはようやく「うえ」が雲が浮かぶ「上」だということに気づいて、空を見上げました。鬱蒼と茂る枝と葉っぱにビッシリと覆われた空。隙間から青空とふわふわした雲が見えた。
「こっちだよぉ~」
 アリクイはさらに目をこらしました。すると、樹の幹にぶらさがっているナマケモノを見つけました。長い爪がついた手をぶ~らぶ~らと揺らして、ナマケモノは手を振っているつもりのようでした。
「お~い、ナマケモノく~ん、何してるの~?」
「何もしてないよ~」
「じゃあなんでそこにいるの~?」
「ん~なんでかなぁ~」
「いつからそこにいるの~?」
「昨日からかな~」
「一週間前は~?」
「いたかな~」
「一ヶ月前は~?」
「いたかも~」
「ずっといたのぉ~」
{そうだねぇ~」
 ナマケモノはのんびりとそう言って、ゆっくりと両手で木の幹にしがみつきました。それっきりナマケモノの声は聞こえません。まるで眠ってしまったかのように、じっとしちます。そうしていると、木の幹に生えた苔や草の一部のように見えます。
「じゃあね~ナマケモノく~ん」
 アリクイはどこへともなく別れの挨拶をすると、また熱心に蟻をペロペロと舐め始めました。
「う~ん、うまいアリはアリガタイ」

Go Go Henry ( henry )
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