戦国時代に人々がバタバタと亡くなっていたころ

そんなことはどこ吹く風といった感じで

近所の農婦を集めては井戸でウワサ話をするネコがいました。

通称「ウワサ好きのネコ」

朝から晩までいろんなうわさをしては、最後に

「フフフ」と笑う不思議ネコです。

「でさ、聞きました？あのいつもえばっている隣の国のお殿様…

　先日お亡くなりになったんですって…　

　なんでも、ネコをふんづけた祟りだとか…　フフフ」

ウワサを心の底から楽しんでいるようで、

味わいのあるニヒルスマイルが特徴。

近所の農婦たちは、洗濯や洗い物の手を休めると

このネコを中心に井戸端会議を開き、

新鮮で驚くような情報に目を丸くしワイワイ喜んで、

とても楽しんでいました。

ただ、ネコはとてもわがままな性格で

農婦に抱きかかえられないと話しません。

抱っこされると、

誰にも聞かれないように耳元に口を近づけ

背中を丸めてヒソヒソ話すものですから、

いつのまにか背中がくびれてラクダのようになっています。

決して栄養をたくわえているわけではありません。

ウワサ好きのネコは、毎日いろんなウワサをしては、

「フフフ」と嬉しそうに笑いながら暮らしました。