東京の大学病院の近くで野良猫をしていたネコーは
毎日病院をうろついてはエサをねだるのが日課でした。

ところがある日、
かつお節のニオイにつられて漁船に乗り込んだところ、
ゴジラが途中であらわれて漁船が転覆事故を起こしてしまい、
とある島に流れ着くこととなりました。

その島ではネコ特有の病気キャッケが流行しており、
診療所に常駐してくれるネコのドクターを
長年さがし続けていたのです。

その島に住む最古猫の要請もあって、
東京に帰ろうとしていた野良猫は

「それじゃ1日だけ」

ということで、しぶしぶ病院の中で行われていたことを
見よう見まねで行うことにしましたが、
部外者ネコを信用しない島のネコたちは、

「あのネコ東京から来たらしい…ネコをかぶっているにちがいない」

憶測が憶測を呼んで全く診療所に寄りつきません。

日が暮れようとする頃、
腐った魚を食べた1匹の子ネコが、お腹を下してやってきました。

最初の患者となったその子ネコから感謝のしるしとして贈られた
診療所の旗に「ドクターネコー診療所」と記されていたため、
以来ネコーは島のネコから「ドクターネコー」と呼ばれることに。

ネコーの医師としての振る舞いやたたずまい、
そしてネコ本来のいい加減で気まぐれな性格はしだいに
島のネコたちに受け入れられ、交流を深めていくことになりました。