夢から醒めた先生はとてもすがすがしい気分でした。
そして翌日、お日様が登るのを待って森へ向かいます。

「鎮守の森」

そこは手つかずの自然が保たれたので、
思わずため息が出そうになる巨木がいたる所にありました。

（な、何てデカいんだ…こんな大きな木があるのか？
　Σ(ﾟ□ﾟ；)　危ない危ない！思わず声が出る所だった。
　この森では、絶対に何も話してはいけないんだ。
　こんなことしているヒマはない、さぁ先へ進もう！）

奥へ奥へと行くと、何だか時間をさかのぼっていくような
まるで子供時代に逆戻りしていくような不思議な感覚が。

巨木の大きな根っこが階段のようになっていて、
歯を食いしばり登っていると突然、頭にヘビが落下。

「ギャーーーー!」

危うく先生は叫びそうになりましたが、
何のことはありません。
足がもつれて倒れそうになったので、
頭からシッポが垂れてきただけ。

（ふ、ふざけるな、このシッポ！）

手がワナワナ震えて癇癪を起しそうになりましたが、我慢。

（落ち着こう…このシッポとは、もうすぐお別れなんだ。
　私は運命を変える！くじけてなるものか！）

やがて、ネコが1匹通れる小さな鳥居を見つけます。

（これだ！！）

鳥居に体を押し込めるようにして中をくぐり、
天まで続く階段を駆けあがってゆくと、
そこには石垣でできたナゾの構造物が。

（？？？）

そう思った瞬間、頭のシッポが逆立つと、ビリビリ振動。
すると、勝手に口がモゴモゴ動きます。

「ゼ、０１２０～
　２２２（ニャンニャンニャン）の～♪　
　キュ　９０６～　♬」

森に入って初めて口を開き、
音痴ながらも一生懸命に先生が歌うと、
散りばめられた落葉の上を音もなく歩く「怪物」が出現！

自分の背丈よりもはるかに大きな化物に、腰を抜かす先生。

「お前がネコであること、そして、
　背後にやんごとなきネコが在ることを確認した。
　お前の望みは何だ？どんな願いも1つだけ叶えよう。
　さぁ言え！」

この肝心な場面で、先生は
あまりの恐怖からカニのように白い泡を吹いて、
倒れてしまいました。