「私」と名付けられた自我は鳥籠のようなものであって、
意識の全体はもっと広大なのではないか？
「私」とは、広い意識の中のごく一部を切り取る、
窓のようなものではないか？
私たちは常日頃、
「『私』ならこの時どう感じるか」
という事に即した感情や思考を強いられているように思う。
弦が張られているかのような恒常的な緊張がそこにある。
それに気付くことはごく稀だ。
そしてまた忘れてしまう、私たちは原因も分からずに疲れている。

さて、『私』の外側には何があるだろう。
それは感覚した上でスポイルしてしまった情報だ。
その大半はごみのようなものかもしれない。
しかしその全てが無価値だと言えるだろうか？
ひとりひとりにそれを確かめる必要がある、私はそう考えている。
自我が鳥籠であるとするなら、
籠の中に閉じ込められた焦点を鳥に例えても良いだろう。
私たちは恐らく、「私」にフォーカスすることに疲れ果てている。

「私」を素通りしてその先を感ずる能力は、瞑想で訓練可能なものだ。
今の私はそのように考えている。

「自我は鳥籠」の文字列は七色の影を持っている。
これは「私」という枠組みの流動性を表現している。
又、それが決して堅固なものではないということを体感して頂けるよう、
ピンボケの写真のような輪郭を持たせてある。
このメッセージは私たちが精神の自由へ近づくためのものだ。
このメッセージが出来る限り識閾下に作用するよう、
画像を反転し、多少のサブリミナル効果がもたらされるようにした。

そこからぶら下がっている鳥籠の紫は芸術を象徴している。
芸術は、私たちの日常レベルの束縛を無効化するエネルギーを持つ。
紫に浸されて、その鳥籠は特別に開け放たれている。
私たちは固定されていた焦点の羽を伸ばして、籠の外を彷徨うことが出来る。

以上が「自我は鳥籠」のコンセプトだ。
「自我は鳥籠」はただ単に私の生活を潤すために制作した。
簡単な図案なので、同様のコンセプトがあれば小学生でも同じようなものを作ることだろう。
精神を自由にするためのリマインド装置として利用して頂けたら嬉しい。
いずれのアイテムも、1点購入するごとに私に500円の収入が入る。