あの、僕は子供の頃の豊原辰夫です。父親が勇んで写真撮ろうとしたんだけど、「俺、龍だから腕が無くて撮れないや。」ってお母さんに頼んで撮ってもらった七五三の写真だよ。
どう？かっこいい？5歳の時の僕の頭には水色の王冠みたいなのが付いていたんだよ。瞳も黒いでしょ？耳だって、お母さんと同じものがついてたんだよ。
声が変わる前はお母さんとそっくりの声だったんだけど、声変わりしたらお父さんと似てるって言われる様になったよ。僕が19歳を迎えたころから、この王冠が取れやすくなってしまって、一生懸命支えていたんだよ。２０歳を迎えた瞬間に僕がいきなりお父さんそっくりの耳と瞳に変わり、角が生えて僕もビックリだよ。ん？兄弟？んーとね、僕は豊原家に養子縁組されたから、お母さんと弟くんがいたよ。お母さん、子供の頃、僕と同じカッコをしたかったんだって。
反抗期の頃、お母さんは心が男の子だって聞いたよ。でも、お父さんを研究していたら、いちばん優しくしてくれるからって「結婚を前提として付き合っていい？」ってお父さんに告白されたんだよ。それで気づいたら、結婚1年たった七夕に僕が産まれたんだよ。お父さんとお母さん、同い年だけど、お母さんは夏生まれだから、お父さんは1月生まれだから、お母さんにとっては先輩になるんだよって聞いたよ。辰夫って名前は、お母さんの干支と、龍が夫って意味でつけられたんだよね。
元々お父さんは研究対象だったけど、お母さんに「貴方は飛べるの？飛んで見てくれる？」って言われて、初めて水槽という狭苦しいところから出られて嬉しかったから、お母さんを守るって決めたんだって！
こんな僕も今はもう24歳だよ。誰か可愛い子がいないか恋活頑張ってるよ。
子供の頃よく言われたり得意だった事？
1月29日生まれと勘違いされたし、ケンカが苦手で、びびりだったよ。そしていじめられてボコボコの僕を連れてお父さんがいじめっ子に謝罪を求めて、10秒しか待てない短気さで父親に水鉄砲かけられて「寒いから許してください、ゴメン…」
この言葉で満足してくれたからよかったけど、すぐに泣くから弱いと見られていたけど、かけっ子ではいつもアンカー頼まれて、クラスを一位に出来るくらい足が速かったよ。それと、海でよく泳いでたよ。水泳が大好きだったからね。「王冠付いた男の子見て！クロールがすごく上手い！」ってビーチに行くといつも弟くんや豊原家のお父さんはついてきたんだけど、お母さんは本が好きでお留守番が定番だったよ。
ごめん！思い出に浸ってしまってた！

もし、このあどけない頃の僕が可愛いなぁと思ったら、僕を色んなところに連れて行って欲しいなあ。　#イラスト　#擬人化