「花だけが生える彼岸花」

秋の訪れとともに、地面から真っすぐに伸びる茎の先に、鮮やかな花が咲き誇る光景を想像してください。彼岸花、その美しい花が枯れた後に現れるのは、ニラやノビルに似た葉です。そのため、彼岸花の葉だとは気づかない人もいるかもしれません。

日本の彼岸花は、ほぼすべての株が三倍体で、種子を作らない特徴があります。そのため、株分けが主な増殖方法となっています。この魅力的な花は、中国大陸が原産地で、有史以前におそらく稲作と共に日本に伝わったと考えられています。

彼岸花の球根には、アルカロイド系の毒素が含まれています。実は、アルカロイドのリコリンという成分の名前の由来ともなっています。彼岸花は薬草としても使用されることがありますが、その毒性のため、民間ではほとんど使用されていません。なお、一般的に知られている薬草のリコリス（甘草）とは別種です。

また、彼岸花は虫やモグラを寄せ付けないため、水田の畔などにも植えられています。江戸時代以前は、彼岸花の球根をすりつぶし、数日間水にさらすことで毒を抜くことができました。そのため、飢饉の際の救荒食物としても利用されましたが、処理が不完全だった場合、命を落とすこともあったようです。

宜しければ、彼岸花の素晴らしさを共有しましょう。 #彼岸花 #鮮やかな花 #毒を含む美しさ