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ライブは好評だったが、どん底に突き落とされた7月29日から一週間たち、配達のバイトには気乗りしない日々が続いていた。
配達ルートの変更を上司に打診していたが、理由を聞かれ曖昧に「飽きたから」と答えるカミノ。もちろんそんな事でせっかく覚えた配達ルートを交換してくれるバイト仲間もおらず今日もおなじみの配達ルートを進む。
しかし時間だけは遅めの、決して丘の上の住人に会わない時間を選んでいた。
2週間たち8月のお盆、配達中のカミノはあることに気がついた。
「もしかして、夏休みじゃん。」
カミノは大学を卒業してからのここ数年、夏休みとはほぼ無縁の日々だった。アルバイターに夏休みは関係無い。毎週変わらないシフト、今までやってきたコンビニも、レンタルビデオ屋も、ファミリーレストランも、カミノに夏休みをくれたことはない。カミノと夏休みは完全に切り離されていた。むしろカミノに関係あるのは高校生のテスト期間の方だった。少しシフトが増えるからだ。それだけだった、それだけのこととも、配達員となった今や、もう無縁のはずだった。
「まさか夏休みが、ここまで俺の人生に影響する日が再び来るとはな・・・」
そうつぶやいて、意を決して坂道を登るカミノ。そう、彼女はきっと夏休み、出社の時間はもはや関係ない。遅めに出たところで、彼女の生活リズムは今までのパターンを失っている。
世間ではお盆の時期は夏休みなのだ。
カミノは今や、夏休みのない自分が世界から切り離されているように感じられた。毎日毎日自転車の転輪のように、カラカラと音を立てて同じ動作を繰り返す配達の仕事、かつて彩りを与えてくれた彼女は、今では自分が自転車であることを自覚させようとする存在となってしまった。なんてひどい世の中だろう。カミノは夏のセミに
「どうしてお前らは飽きずに毎年毎年うるさく鳴いては、消えていくのか」
と問いたい気分だった。街路樹のセミにふてくされても仕方ないと思い向き直ったカミノは、坂のはるか上の家の前にいる一人の女声の人影に気づいた。
その彼女がかぶるキャップには紫色の缶バッヂがカラカラと音を立てていたが、カミノにはあいにく遠すぎて、太陽に光る点にしか見えなかった。
キズマシーン第3回単独ライブ
「リビングに入るとき、尻込み」
2018 7/29
[会場]
新宿バティオス
東京都新宿区歌舞伎町2-45-4
[時間]
開場19:00/開演19:30
[料金]
前売り券2000円/当日券2500円
[予約方法]
ローソンチケットにて発売中 Lコード:34782
※上記物語はライブの内容とは関係ありません
Size |
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Up to 80 x 80mm |
※ Nekopos(YAMATO TRANSPORT) can use only when purchase up to 50 stickers, up to 2 sacoche bags, up to 30 can badges, 1 note, 1 towel handkerchief, 2 reusable bags, 1 dog T-shirt and 2 Socks
※ T-shirt delivery service(YAMATO TRANSPORT) can be used only when purchasing up to "1 standard T-shirt (excluding XXL and XXXL)", "1 oversized T-shirt", "1 heavyweight T-shirt (excluding 2XL and 3XL)", "1 organic cotton T-shirt (excluding XXL)" and "1 long sleeve T-shirt (excluding XL and 2XL)".