両親に連れられ、お屋敷に到着したシスターネコ。

さっそく娘の部屋に向かうと、
中から大量のゲロを吐き出す音が。

「ずっとこんな感じｄ￥ｎす」

顔が引きつった父はロレツ回らない。

「大丈夫、安心して。悪魔は必ず退治してみせます。
　私が部屋に入ったらカギかけて絶対に誰も入れないで」

「あの…差し出がましいようですが、
　十字架とか？聖水とか？ニンニクなどは？
　…持って参りましょうか？」

「必要ないですわ。こんな手では持てませんから(^-^)」

「そ、そうですね…失礼しました」

ネコに助けを求めたのは間違いだったのでは？
重く沈んだ気持ちでボーっとしていると、
いつの間にかネコは部屋の中に入っていて姿がありません。

慌てて部屋に鍵をかけようと扉に近づくと、
中から悪魔と思われる低い声が…

「ネコのくせにシスターだと？おもしろい
　悪魔が洗礼してやろうこれでも喰らえ！ゲロロロロロロ」

カギをかける手が震えて、うっかり中をのぞいてみたら
ネコは頭の先からしっぽの先までゲロまみれ。

その後、念力攻撃を受けて
部屋の端から端をゴロゴロとローリングする始末。

「ネコにも手加減なしかよ！」

「シスター、しっかり！」

両親の叫びも虚しく、シスターは横になったまま
ピクリとも動かなくなってしまいました。

「なんたる愚かネコ！カッカカカカ」

悪魔が高笑いしていると、たんこぶで大きくなった頭から
シスターのベールが取れてしまったのです。

「あっ！！」

すると、突然おどろおどろしい化け猫が！

「噛みつくワヨ！！！！」

突如現れた「胃が出づる国のネコ」！
口は裂け、目玉ギョロギョロ、体には無数の生傷が！！

「うわー！（ポロリ）」　「キャー！（ポロリ）」

扉のすき間から見てた両親、縮みあがり胃袋を吐き出した。

「ウオー！（ポロリ）」

油断していた悪魔もビックリ仰天！
ゲロではなく胃袋を出してしまったのです。

「待ってたワヨ(ΦωΦ)」

出てきた胃袋に、キラリと目を輝かせると
これでもか！と頭突きを何発もお見舞。

「ア…アウッ…　アウチーーー！！！」

激痛に顔をゆがめ、悪魔はたまらず
娘の体から飛び出したのでした。

それを見計らってシスターは悪魔をパクリ。
見事胃袋に納めたのであります。

……………

もともとのシスターは海を隔てた、
「胃が出づる国」から来たネコ。

自分の汚れを清める修行のため、
遠い山奥で一匹祈りを捧げていたのです。

このようにして娘を無事救出。

両親はシスターに胃袋を戻してもらうと、
涙を流し娘との再会を喜びました。